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建設会社が従業員を雇ったときに必要な社会保険・労働保険の手続き

2026/10/1

建設会社が事業を拡大し、初めて従業員を雇うことになった場合、「社会保険や労働保険は何をすればいいの?」と迷われる経営者の方も多いのではないでしょうか。

従業員を雇用すると、健康保険・厚生年金保険だけでなく、労災保険や雇用保険についても手続きが必要になります。

特に建設業では、一般的な事業とは労働保険の取扱いが異なる部分があるため注意が必要です。

今回は、建設会社が従業員を雇ったときに確認しておきたい社会保険・労働保険の手続きについて解説します。

1.社会保険(健康保険・厚生年金保険)の手続き

株式会社や合同会社などの法人事業所は、原則として健康保険・厚生年金保険の適用事業所となります。

また、個人事業所の場合でも、建設業で常時5人以上の従業員を使用する場合には、原則として社会保険の適用事業所となります。

社会保険の加入対象となる従業員を採用した場合には、「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」を提出します。

提出期限は、原則として従業員を雇用した日から5日以内です。

なお、パート・アルバイトなどについては、労働時間や勤務日数などによって加入の判断が異なる場合があります。

「正社員ではないから社会保険に入れなくてよい」と一律に判断せず、勤務条件を確認することが大切です。

2.雇用保険の手続き

従業員が一定の要件を満たす場合には、雇用保険への加入手続きも必要になります。

原則として、

・1週間の所定労働時間が20時間以上であること
・31日以上引き続き雇用されることが見込まれること

などの要件を満たす従業員は、雇用保険の被保険者となります。

対象となる従業員を採用した場合には、「雇用保険被保険者資格取得届」を管轄のハローワークへ提出します。

提出期限は、原則として被保険者となった日の翌月10日までです。

建設会社の場合、現場作業員だけでなく、事務員や営業担当者などについても、それぞれ加入要件を確認する必要があります。

3.労災保険は従業員を雇ったら要チェック

労災保険は、業務中や通勤途中に従業員がケガなどをした場合に給付を行う制度です。

正社員だけでなく、パート・アルバイトなども原則として労災保険の対象となります。

建設業では高所作業や重機の使用などを伴うこともあり、労災事故への備えは特に重要です。

そして、建設業の労災保険には一般の業種とは異なる特徴があります。

4.建設業は労働保険の取扱いが少し特殊です

建設業は、原則として「二元適用事業」として取り扱われます。

二元適用事業とは、簡単にいうと、労災保険と雇用保険の保険関係や保険料の申告・納付をそれぞれ分けて行う仕組みです。

一般的な事業では労災保険と雇用保険をまとめて手続きすることが多いため、建設業を始めたばかりの事業者にとって分かりにくいポイントの一つです。

また、建設工事については「一つの工事を一つの事業」として労災保険を適用することが原則です。

数次の請負によって工事が行われる場合には、原則として元請事業者がその工事全体について労災保険の事業主として取り扱われます。

そのため、下請会社の従業員が元請工事の現場で作業している場合でも、工事現場の労災保険については元請側の保険関係で取り扱われることがあります。

建設業では「自社が雇用している従業員だから、すべて自社の労災保険で処理すればよい」とは限らない点に注意が必要です。

5.事務員などの「事務所労災」にも注意

建設会社では、現場作業員だけでなく、事務員や営業担当者を雇用することもあります。

ここで注意したいのが、工事現場の労災保険と事務所などの労災保険は取扱いが異なる場合があることです。

例えば、

事務所で経理業務をしている従業員
営業活動をしている従業員
資材置場で整理や片付けをしている従業員

などについては、工事現場の労災保険とは別に「事務所」などとして労災保険の手続きが必要となる場合があります。

建設業では、従業員が「どこで」「どのような仕事をしているのか」まで確認して労災保険を整理することが重要です。

6.初めて従業員を雇う場合は会社自体の手続きも必要

これまで従業員がおらず、初めて従業員を雇用する場合には、従業員本人の資格取得手続きだけではなく、会社・事業所側の労働保険の成立手続きなどが必要になることがあります。

代表的なものとして、

「労働保険 保険関係成立届」
「労働保険 概算保険料申告書」
「雇用保険適用事業所設置届」
「雇用保険被保険者資格取得届」

などがあります。

保険関係成立届は原則として保険関係成立後10日以内、概算保険料申告書は原則として50日以内など、それぞれ提出期限が定められています。

従業員を採用してから慌てることがないよう、採用前から必要な手続きを確認しておくことをおすすめします。

7.建設会社は「採用した後」の労務管理も重要です

従業員を雇うと、必要になるのは社会保険や労働保険の手続きだけではありません。

労働条件通知書・雇用契約書の作成、労働時間の管理、給与計算、36協定、就業規則など、会社として整えていくべき労務管理も増えていきます。

特に、従業員数が増えている建設会社では、「昔からこのやり方だから」という理由だけで労務管理を続けていると、会社の成長に管理体制が追いつかなくなることがあります。

従業員を初めて雇うタイミングや、従業員が増えてきたタイミングは、会社の労務管理体制を整える良い機会です。

まとめ

建設会社が従業員を雇った場合には、社会保険・雇用保険・労災保険など、さまざまな手続きが必要になります。

特に建設業では、労働保険が二元適用となることや、工事現場の労災保険と事務所の労災保険で取扱いが異なる場合があるなど、建設業特有の注意点があります。

「初めて従業員を雇うが、何の手続きが必要なのか分からない」
「現場作業員と事務員の労災保険をどうすればよいか分からない」
「社会保険や雇用保険の手続きをまとめてお願いしたい」

このような場合には、早めに専門家へ相談することをおすすめします。

当事務所では、建設業に関する許認可手続きだけでなく、社会保険・労働保険の手続きや労務管理についてもサポートしております。

建設会社の設立・許認可から、従業員を雇用した後の労務管理まで、お気軽にご相談ください。

※本記事は2026年10月1日時点の制度に基づく一般的な内容です。実際の加入要件や必要な手続きは、事業所や従業員の状況によって異なります。